高額納税者表にため息…

昨日発表された長者番付(高額納税者表)で、
投資顧問会社のサラリーマンが番付の1位に踊り出たことを
各メディアが大きく取り上げていた。
もちろん、その個人に対しては、
それが事実であるということ以外になんの興味も意見も持たないが、
正直なところ、説明しようのない空虚感・違和感はぬぐえない。

ふと、(財)日本総合研究所理事長の寺島実郎氏が書いていた記事を思い出した。
(前略) ITは産業社会を変え、情報ネットワーク技術革命が進行しなければ成立しえない金融ビジネスモデルを肥大化させた。
マンハッタンの摩天楼から下界を見下ろすように、オンラインで繋がったパソコンの画面を眺めながら先物取引や金融商品の利ざやを漁り、企業を商品のように売買するMBA(経営学修士)取得のエリート達に違和感を覚え、経済行為とは何かを自問自答した思い出がある。
額に汗する産業活動を軽視し、世界の不条理に無関心な経済行為が健全といえるだろうか。資本主義とは本来的に勤勉、誠実、信用をモチーフとして事業を育てる意思によって成立したものであり、悪知恵を競うものではない
 (後略)。
(4月5日付朝日新聞夕刊「思潮21」より引用)

もちろん金融業務のすべてが悪知恵によるものだとは思っていないが、
勤勉・誠実というイメージからは遠いのは確かだ。

額に汗して働くことに無関心な若者が、ニートと呼ばれ、数を増やしている。
少子化で甘やかされ、外からの攻撃に弱く、常に不安を抱え、
自分に自信がないくせに、与えられた仕事に対しては
「自分はこんな仕事をする人間じゃない」という肥大した自意識を発動させる、
心弱い若者たち。
楽して金が手に入るなら、それに越したことはない。
金さえあればすべては思うようになる…。
どんな方法をとったって、金を手に入れたものが勝ち。
でも、今はその時期じゃないから働かずに親のすねをかじる。
そしてそれを恥ずかしいとも思わない…。
そんな若者たちにこの番付は何も教えない。
自分で考え、物を作り、自分で身体を動かし、
どんな小さな仕事でも「働くこと」によって報酬を得るよりも巨額のお金が、
パソコンの前に座っているだけで手に入るような錯覚すら起こさせる。
金儲けは人生の一部かもしれない。しかし、人生の全部じゃない。
金で買えないものだってある。それが、「働くこと」で手に入るのに。
そう思うのは時代遅れだろうか。
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by yuqui084 | 2005-05-17 21:15 | 日々のこと

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