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SHINKANSEN☆PRODUSE 「吉原御免状」

「松雪姐さんの1人罰ゲームライヴ」(笑)がなかった代わりに
カーテンコールが4回、最後は観客のほとんどがスタンディングオベーション~!

というわけで
観に行って参りました、新☆感線プロデュース「吉原御免状」。
前回の「アテルイ」には行けなかったので、久々感(?)があったのですが、
やっぱり面白かった!
自分が最初に観た新感線の舞台は「星の忍者」で
その時はその面白さに興奮して友人に電話しまくり、
思い切り顰蹙をかったのですが、
その時の勧誘キャッチコピー(?)が
『ハードロックにのって歌い踊るチャンバラ芝居なのよ!!』。

そのままです(笑)。

でも、新感線のお芝居のいいところは
「わかりやすい」ところだと思うんです。
初めて誘った人も楽しめるわかりやすさ。
潔いくらいの勧善懲悪、ベタなギャグ、
キレのいい殺陣(時々なぜか群舞が混じり…笑)、
ここぞと思うキメ台詞には、
拍子木や太鼓の音効が抜群のタイミングで鳴ってくれた上に、
スポットまで当ててくれる(笑)。
見終わった後の爽快感はノリノリのロックコンサート並みで
いつも元気をもらっていました。
その新感線が創立二十五周年ということで、
初の原作付きとして企画された「吉原御免状」。
それも今回はシリアスメインということで、
観るまでは、あれ?ちょっといつもとは違うのかな?と思ったのですが
なんのなんの、そのケレン味はいつも以上、
とても美しいステージでした。



席は二階正面の六列目。
残念ながら役者さんの細かい表情までは見えませんが
ステージ全体がよく見えました。
今回のメインセットは、格子と襖・障子を使った構造物と
ステージ中央の盆に高低差のある斜面を乗せたまわり舞台。
赤の格子と提灯・暖簾が吉原のあでやかさと妖しさを醸し出しています。
いったい何場あるのかと思うくらいの転換の数でしたが
転換中もステージのどこかで誰かが芝居をしているという風に
フィルムのカット割りのようにスムーズに流れていくのに感動。
特に、下手からやってきた花魁たちの行列が
まわりながら転換する吉原のセットの間を歩いていくうちに
最終的に中央の斜面から降りてくることになるというシーンは
その美しさにため息が出るほどでした。
(わかりにくくてすみません…汗)

主人公松永誠一郎に堤真一氏。
40代のつっつん(笑)が26歳の天然好青年を演じるというので
どうなるんだろうと思っていたんですが、
最初ちょっとあった違和感も後半にはなくなり、
ラストの鬼気迫る立ちまわりは、さすがの迫力。
逆に若い俳優さんだと、前半の素直な誠一郎と
後半の、愛する女を失って修羅と化した誠一郎との演じ分け
(ただ怒りにまかせるだけでなく、素直ななかに隠されていた「業」が
腹の中から出てくる感じ)が難しかっただろうなと、つっつん起用を納得。
対する悪役、裏柳生総帥、柳生義仙は看板役者古田新太氏。
どんどん貫禄が出てきて、憎たらしい悪役を安定感たっぷりに演じておりました。
その板に付いたワルぶりに、もう昔みたいな「女にゃ弱いが剣には強い」という
ちゃらんぽらんな正義の味方=主人公はやってくれないのかなぁ…と
ちょっと残念な気持ちに…(涙)
柳生者でありながら、誠一郎を愛したが故に裏切り者となり
非業の最期を遂げる勝山太夫は松雪泰子姐さん。
美しい!もう、圧倒的な色っぽさです!古田新太との熱っぽい濡れ場に思わず
「もったいない!」と思ったのは秘密(爆)。
オヒョイさんこと藤村俊二氏はときどき台詞があやうくなって
観客の方が緊迫した雰囲気になったりしておりましたが(笑)、
その存在感は独特でした。
そして!個人的にいい!!と思ったのは
柳生宗冬の橋本じゅん氏と、水野十郎左右衛門の梶原善氏。
橋本さんはいつもの熱いキャラとは全く違う「平穏路線をゆく柳生家当主」。
しかしながら、今回激しく動いたり、声を張り上げたりしないことで
逆に芝居の基本がしっかりしていることが分かって
今まで「もしかしたら下手かもしれない」とか思ってしまって本当にごめんなさい!!
って感じでした(←超失礼…汗)。
梶原さんは、今回のコミカルな部分を八割以上受け持っていたような気がするのですが
中島かずき氏が梶原さんのために水野というキャラをふくらませたというだけあって
軽妙で、キャラ立ちの際立った演技は
前回客演の「髑髏城の七人」より断然良かったです!

でも、今回観たのが二階後列ながら正面だったということもあり
印象的だったのは、やはり舞台装置でしょうか。
動く舞台装置といえば、
大がかりなものだと維新派の鉄骨構造群などがありますが、
「回す」ということで、舞台というミニマムな面積に
距離感と動きを出し、暗転しなくとも時間的な「間」を観客に感じさせる演出は
回す角度、時間、回転数など平面演出よりも複雑な要素を必要とするだけあって
それがぴったりと美しく決まった場合は、素直に「凄い!」と思いました。

というわけで、わくわくの3時間。期待を裏切らない面白さでした。
今回、チケットとるのにバタバタしたし、やっぱりファンクラブ入ろうかなぁ…

by yuqui084 | 2005-10-23 23:15 | 舞台

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