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「キングコング」

去年の手帳を見てみると、
2005年に映画館で見た最初の映画は「ハウルの動く城」でした。
(ちなみに、劇場で見た最初の舞台は松竹座の「初春大歌舞伎」)。
で、今年もいきなりファンタジーからスタート(笑)。
史上最高の制作費を費やしてつくられた娯楽大作「キングコング」。
「ロード・オブ・ザ・リング」のピーター・ジャクソン監督が
オリジナルの「キングコング」へのオマージュとリスペクトを目一杯詰め込んだ一作。
(多分これ、PJがアカデミー賞取ってなかったら撮れなかったよね?)



というわけで、
作中のジャック・ブラック演ずる映画監督の映画への偏執ぶりが
ピーター・ジャクソン監督本人とダブ゙るくらい作り込んだSFXとスケール感で
正月劇場映画にふさわしい大スペクタクル映画になっておりました。

だがしかし…
マジで尺長すぎ!!

TREXの疾走シーンやら、コングとの大格闘やら、巨大虫のゾロゾロやら、
小学生ノリで大喜びで作っているのはよ~く分かるんですが、
タイトルロールのコングさんが出てくるまでにすでに一時間半使ってるってどうよ?
1933年作のオリジナル「キングコング」が100分だから、
リメイク版でコングが出てくる前にオリジナルは全編終了しているという計算?(笑)。
作り込みもすごいのは分かるんですが、近くの席に座っていた小学生は
「ドクターモローの島」並みの未知の生物大集合が怖かったらしく、
声を上げてマジ泣きしてましたよ(笑)。
(まあ、その手のものが好きな方には至福の一本かも…)
二足歩行の恐竜が出てくる、というところは「ジュラシックパーク」なんですが、
「ジュラシック…」と違うところは、
それまでのCG表現では結構かちかちだった恐竜の皮膚(というか肉)が
たるみも表現されていて、それが暴れると重力に沿って「揺れる」というリアルさ。
そのたぷたぷ感に技術の進歩ってすごいなぁ…と思った瞬間でした(笑)。

で、肝心の役者のほうは、いつものジャクソン監督っぽく、
ギャラを抑えた中堅どころでまとめた感じ。
…といったら、「エイドリアン・ブロディは腐ってもオスカー俳優!」と怒られました(笑)。
すみません。自分的にはエイドリアン・ブロディって、
「戦場のピアニスト」より「サマー・オブ・サム」の
頭トゲトゲの人っていう印象が強くって…。
だから、「キングコング」の彼も、
自分の脳内では関俊彦さんの声でしゃべってました(爆)。
でも、「戦場…」のヨゴヨゴぶりからは考えられないロマンチック俳優ぶりにちょっと萌え。
(どうやら、下がり眉の男に弱いらしい…笑)
ヒロインのナオミ・ワッツは堂々「悲鳴女優」の面目躍如。
時々ニコール・キッドマンに見える哀しさを除けば、
表情芝居の多い難しい役で大健闘。
やっぱり、あの大きく見開いたブルーの目がうるうると潤むのには、
さすがのコングさんもノックアウトか。
そして、やっぱりすごかったのはアンディ・サーキス。
「ロード・オブ・ザ・リング」のゴラムに続いて、
肉体的にも精神的にも過酷な条件の中で、
クリーチャーに感情や命を吹き込む「コング」役と、
今回は顔出しでコックのランピー役で登場。
ジェフ・ゴールドブラムをちっちゃくしたようなルックスですが、
個性派俳優独特の雰囲気がいい感じでした。
「コング」さんとしては、
やっぱりくいっとあごをしゃくってアンに「ついてこい」というシーンと、
観客の涙を絞ったエンパイアステートビル上の「beautiful」のシーンが秀逸。
アンが「奇跡の人」のサリバン先生に見えました。

とにかく、テレビで観るより劇場で観るのに向いている映画です。
それも体力があるときに観ることをお奨めします(笑)。

個人的には、ストーリーと全く関係ないところで、
エイドリアン・ブロディとトーマス・クレッチマンのツーショットに
一人喜んでいた…ということはヒミツ(爆)。
(「戦場のピアニスト」での唯一の萌えどころだったので…笑)

by yuqui084 | 2006-01-06 18:23 | 映画

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