人生は、奇跡の詩

人生は、奇跡の詩
ロベルト・ベニーニ / / ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント

公式サイト(詳細・あらすじ)はこちら。

ロベルト・ベニーニ作品は前作の「ピノキオ」が結構退屈だったので、
この作品は映画館では未見。
が、社長が葺き替えるとなれば…!
というわけで、あまりストーリーも予習せず鑑賞。
が、いきなりオープニングのトム・ウェイツにヤられました…。
キャー!なんて素敵オヤジ!(笑)
個人的に森脇真末味の名作「おんなのこ物語」の仲尾仁
(大好きでした。昔から性格の悪い子供キャラが好きだった…)
の歌声がトム・ウェイツだという作者設定に、
しばらくCDを聴きまくっていた頃もあり、
まったく関係ないところで萌えを蘇らせるというお得感(笑)

いやいや、そんな話ではなかったですね。
目的は「社長」のベニーニ。
ロベルト・ベニーニって、
本国ではイタリアのチャップリンと呼ばれているらしいですが、
無声映画のチャップリンと、あれだけしゃべりまくるベニーニが
なぜかぶるのか。
それはきっと「バカなことを大まじめにやっているところを見せる芸風」だから。
どんな滑稽なことをやっていても、本人(キャラクター)は真剣。
または、その真剣な姿がどう見ても滑稽。
そのギャップを観客は笑いとして受け止めるわけですね。
というわけで、今回の社長の吹き替えトーンはなんと意外にもシリアス!
多少テンションの上がるシーンはありますが、変声なんて出しません。
まあ、ベニーニのルックス自体がコメディーだと言われたら身も蓋も無いわけですが、
なにせ本人(役)は真剣な訳ですから。
ただ、本当にずーっとしゃべっている訳ですから、収録では疲れも出てくる。
その疲れが芝居の集中力に影響することはあったと思うので、
多分最初のトーンを保つのが一番大変だったのではないかと。

実は、1回目に見たとき、
時間軸が前後に飛んだり、夢のシーンが挿入されたりで、
今ひとつストーリーがよく分からなかったんですよね(汗)
で、いろいろエピソードも拾い損ねていて、
本編が終わってDVDのメインメニューを見て初めて原題の意味に気づいたり。
なので、結局3回見て(そのあと原語でも1回見た)
ようやくいろいろ分かったと(汗)。
でも、全然苦にはなりませんでした。

ストーリーやシチュエーションは「そんなのアリ?」と
裏拳でツッコめるファンタジー具合なので、あえて言及いたしません。
言えるのは、主人公アッティリオがひたすらポジティブなこと。
愛する人のためなら戦争の弾幕もくぐり抜け、絶対に希望を捨てない。
友人の詩人(ジャン・レノ)が、
「夢だけが現実。この世のあとにはなにもない」というのに対して、
「僕は生まれてきてよかったと思うし、死んでからも生きていたときのことは忘れないよ」
という前向きさ。個人的にはこれが大変好ましかった。
しかし、イタリア人は凄いっすねー。照れもなく愛の言葉連発。
おまけに主人公の職業は「詩人で大学教授」。
思う存分言葉を駆使するわけです。
欧米では日本と違って「詩人」はかなりリスペクトされていますから、
ステータスも高い。
(言葉の響きは日本語よりイタリア語のほうが官能的でした。
舌の回し具合とか…笑)。
本編がそんなものなので、
吹き替えでもとにかく詩を詠み、愛を語っています。
とっても真面目に。(でもつい笑ってしまうのですよ)
社長の真面目トーン声の特徴として
「人のよさと説得力」があるかと思うのですが、
これがベニーニの人のいい顔とかぶってとてもいい感じに聞こえてきます。
お初のキャスティングですが、チョイスした方に拍手。
「太陽も空も、彼女がいなければ意味がない。」
死ぬまでに一度くらい言われてみたい台詞ですね(笑)
でも、面白かったのは、
主人公ってばあれだけ喋りまくって走り回って暴れまくってるのに、
肝心なシーンでは台詞なし。
バストアップでの長回し、ちょっと肩をすくめてにこっと笑って照れたように。
奥さんのヴィットリア(ベニーニの本物の奥さん、ニコレッタ・ブラスキ)の
印象的なシーンも、やはり台詞なし。音楽と役者の表情だけで魅せてます。
このコントラストがちょっと照れ屋なチャウ・シンチー映画とダブりました(笑)。
機関銃のような言葉の応酬では表現できない「ロマンティック」。
それもちゃんとわかっている監督。
映画としてはいろいろ乱暴なところがある作品ですが、
鑑賞後はちょっと幸せな気持ちになれます。
ブラッド・ピットやチャーリー・シーンのような男前役ではないけれど、
味のあるキャスティングにこれからも期待。
49歳にして新たなフィールドに踏み込みましたね社長♪(笑)
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by yuqui084 | 2007-07-11 12:10 | 社長!

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